当第3四半期連結累計期間(2025年4月1日~2025年12月31日)のわが国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待される一方で、今後の物価動向や米国の通商政策等による景気の下振れリスクには留意が必要な状況です。航空業界を取り巻く環境は、ウクライナや中東地域情勢等の地政学リスクが懸念されるものの、旅客需要は増加しています。
このような社会・経済情勢の下、航空事業を中心に増収となったことから、売上高は1兆8,773億円、営業利益は1,807億円、経常利益は1,826億円となりました。また、日本貨物航空株式会社(NCA)の連結子会社化による特別利益を計上したこと等により、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,392億円となりました。
なお、国際的な環境評価を手掛ける非営利団体であるCDPより、最高評価の「Aリスト企業」に4年連続で選定されました。今後も事業を通じて環境問題等の社会課題解決に取り組み、持続的な成長と企業価値の向上を目指 してまいります。
セグメント
航空事業
好調な訪日需要とレジャー需要に支えられ、国際線・国内線ともに旅客需要が堅調に推移したこと等により、売上高は前年同期を上回りました。費用面では燃油費や人件費等が増加したものの、売上高の増加等により、営業利益は前年同期と比べて増益となりました。
なお、当社グループは英国SKYTRAX社から顧客満足度で最高評価となる「5スター」に13年連続で認定され ました。また、12月から羽田空港の国内線定期便において、完全無人運転による貨物搬送を開始しました。今後も自動運転車両の増車や導入空港の拡大を目指し、更なる効率的なオペレーションの実現に努めてまいります。
国際線旅客
国際線旅客では、訪日需要や日本発のレジャー需要を積極的に取り込んだ結果、旅客数・収入ともに前年同期を上回りました。とりわけ2024年度下期から欧州3路線を新規就航したこと等により、欧州路線が好調に推移しました。
路線ネットワークでは、10月から成田=香港線、12月から羽田=香港線、成田=パース線、成田=ムンバイ線を増便しました。
営業・サービス面では、12月から機内エンターテインメントに人気動画配信サービスを導入したことにより、お客様の快適性向上を図ったことに加え、機内で提供するワインをリニューアルし、サービス拡充に努めました。
国内線旅客
国内線旅客では、降雪等による悪天候の影響を受けたものの、「ANA SUPER VALUEセール」を継続的に実施し、レジャー需要の喚起と早期取り込みに努めたこと等により、旅客数、収入ともに前年同期を上回りました。
路線ネットワークでは、10月から羽田=新千歳線や羽田=福岡線等を増便しました。
営業・サービス面では、12月から地域創生を訴求する特別デザイン機「ANAふるさとJET」の運航を開始しました。「ふるさとをつなぐ」をコンセプトに自治体との連携を強化し、地方への人流拡大を目指した取り組み等を推進してまいります。
国際線貨物
国際線貨物では、アジア発北米向け貨物の取り込みを強化したこと等から、輸送重量は前年同期を上回りましたが、自動車関連やEコマースの需要が減退したこと等により、収入は前年同期を下回りました。なお、米国の関税政策により中国発北米向け三国間貨物の需要は落ち込みましたが、回復基調にあります。
路線ネットワークでは、需要動向を見極め、必要に応じて貨物専用機の運航路線や供給量を柔軟に調整したほか、北米路線では他社によるエアラインチャーター便の運航を継続し、収益性の確保に努めました。
NCA
NCAでは、米国の関税政策による中国発北米向け三国間貨物の需要減退の影響を受けましたが、徐々に回復基調にあります。また、10月以降はアジア発欧米向け貨物等の旺盛な需要を積極的に取り込みました。
路線ネットワークでは、9月から成田=フランクフルト線を開設したほか、10月から成田=香港線および成田=ロサンゼルス線等において機動的に臨時便を設定し、収益の最大化を図りました。
また、10月から欧米路線でANAとのコードシェアを開始しました。今後も提携を深化し、グループにおける貨物事業の強化を図り、高品質で競争力のあるサービス提供に努めてまいります。
Peach・AirJapan
Peach
AirJapan
Peachでは、旅客数は前年同期を上回ったものの、上期に国際線で他社との価格競争が激化したこと等から、収入は前年同期を下回りました。
路線ネットワークでは、12月から関西=金浦線を増便し、レジャー需要の取り込みに努めました。
営業・サービス面では、12月から国内線のアプリチェックイン受付開始時間を従来から前倒したことに加え、事前設定により自動でチェックインが完了する「オートチェックイン」機能を新たに導入しました。
AirJapanでは、訪日需要を着実に取り込んだことに加え、レジャー需要の喚起を目的にセールを積極的に展開したこと等により、旅客数・収入ともに前年同期を上回りました。
路線ネットワークでは、3機目の機材導入に伴い、11月から成田=シンガポール線を週7便に増便したほか、12月に成田=仁川線の期間増便を行いました。
営業・サービス面では、機内インターネットサービスでの動画視聴等が可能になり、お客様の更なる利便性の向上に努めました。
その他
航空事業におけるその他の収入は1,403億円(前年同期1,378億円、前年同期比1.8%増)となりました。なお、航空事業におけるその他には、マイレージ附帯収入、機内販売収入、整備受託収入等が含まれています。
航空関連事業
外国航空会社からの空港地上支援業務や国際貨物の取扱高が拡大したこと等により、売上高・営業利益ともに前年同期を上回りました。
旅行事業
海外旅行については、ハワイやヨーロッパ方面を中心に需要を取り込んだことにより、取扱高が増加しました。国内旅行については、「ANAトラベラーズホテル」等の素材販売が好調であったものの、主力のダイナミックパッケージ商品の集客が伸び悩んだことから、取扱高が減少しました。以上の結果、売上高は前年同期を下回りましたが、コストマネジメントを徹底したこと等により、営業黒字に転換しました。
商社事業
大阪・関西万博の開催効果により、観光土産品卸売「FUJISEY」が好調に推移したほか、物流会社向けセキュリティ機器関連やバナナをはじめとした食品事業の取扱高が増加したこと等により、売上高・営業利益ともに前年同期を上回りました。
その他
空港設備保守管理事業や不動産関連事業において取扱高が増加したこと等から、売上高・営業利益ともに前年同期を上回りました。
財政状態
資産の部は、NCAのグループ化に伴う航空機の増加等により、前期末に比べて2,033億円増加し、3兆8,236億円となりました。
負債の部は、劣後特約付シンジケートローン(以下、「劣後ローン」という)」の返済による借入金の減少等により、前期末に比べて1,072億円減少し、2兆3,729億円となりました。なお、有利子負債(無利子のユーロ円建転換社債型新株予約権付社債を含む)は、前期末に比べて1,607億円減少し、1兆1,882億円となりました。
純資産の部は、配当金の支払いがあった一方で、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上や成長投資資金の確保や資本構成の最適化等を目的とした第1回社債型種類株式を発行したこと等により、前期末に比べて3,106億円増加し、1兆4,507億円となりました。
キャッシュ・フロー
営業活動においては、当第3四半期の税金等調整前四半期純利益1,934億円に、減価償却費等の非資金項目、営業活動に係る債権・債務の加減算を行ったこと等から、2,882億円の収入となりました。
投資活動においては、有価証券の取得や設備投資による支出等により、3,346億円の支出となりました。これらの結果、フリー・キャッシュ・フローは463億円の支出となりました。
財務活動においては、第1回社債型種類株式を発行した一方で、配当金の支払いや劣後ローン等借入金の返済があったこと等から、1,039億円の支出となりました。
その他、NCAのグループ化等により、現金及び現金同等物が14億円増加しました。
以上の結果、当第3四半期末における現金及び現金同等物は、期首から1,463億円減少し、7,163億円となりました。
連結業績予想などの将来予測情報
2025年10月30日に発表した連結業績予想の変更は行っていません。
provided by StockWeather.com,Inc.