2025年3月期
(単位:億円)
当連結会計年度におけるにおける世界経済は、景気は緩やかな回復傾向にあるものの、ウクライナ情勢等の地政学リスクの継続や中国経済成長鈍化の長期化など、不透明な状況が続きました。
このような環境のもと、半導体・電子デバイス・プリント基板市場においては、世界的にパソコンやスマートフォンなどの需要が緩やかに回復し稼働は安定的に推移したものの、関連する設備投資は抑制傾向が継続しています。また、サーバー市場においては、生成AI関連に牽引され新たな需要の高まりが見られるものの、既存のデータセンター向けサーバーでは、投資の抑制及び延期が継続しています。フラットパネルディスプレイ市場においては、スマートフォンやタブレット端末用の有機ELディスプレイの需要は高まりつつあるも、液晶パネルの需要の低調により、液晶パネルメーカー各社の稼働は低調に推移しています。映像関連市場においては、ハリウッドストライキに起因するコンテンツ不足の影響などにより、映画館の稼働が低迷し、一時的な設備投資意欲の減退が発生しています。一般映像機器市場においては、イベント等での高度な映像演出ニーズの高まりにより、堅調な市況が継続しています。
当連結会計年度の平均為替レートは、米ドルが前連結会計期間に比べ9円円安の153円となりました。
その結果、当連結会計年度における売上高は1,776億1千6百万円(前年同期比1.0%減)、営業利益は88億2千5百万円(前年同期比32.0%減)、経常利益は124億5千1百万円(前年同期比22.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は67億9千7百万円(前年同期比37.0%減)となりました。
セグメント情報
※2023年3月期よりセグメントの変更を行いました。2022年3月期以前の新セグメントデータはありません。
Industrial Process事業
[露光用ランプ]
パソコンやスマートフォン等の最終製品の需要は緩やかに回復しつつあり、半導体後工程における生成AI関連需要にも支えられ、設置済み装置の稼働が堅調に推移したことで半導体向け中心に販売が増加したことや、円安による為替効果もあり、増収となりました。
[OA用ランプ]
セットメーカー各社の在庫調整が終わり、需要が堅調に推移したことや、円安による為替効果により、増収となりました。
[光学機器用ランプ]
液晶パネル向けの販売は減少も、スマートフォンやタブレット端末用の有機ELディスプレイ向けで販売が増加したことや、円安による為替効果により、増収となりました。
[光学装置(露光装置)]
既存のデータセンター向けサーバーの需要は低調であり、パソコンやスマートフォン等の最終製品の需要は緩やかに回復しつつあるものの、生成AI関連を除く先端パッケージ基板で過剰キャパシティ状態が継続していることから、投資抑制や延期が続き、投影露光装置及び直描式露光装置の販売が減少し、減収となりました。
[光学装置(その他)]
EUVリソグラフィマスク検査用EUV光源の稼働低下により保守メンテナンスサービス収入が減少し、減収となりました。
なお、利益面では、投資案件の絞り込みにより販管費を抑制するも、露光装置の販売減少及び将来に向けた先行投資拡大により、減益となりました。
以上の結果、Industrial Process事業の売上高は789億3千2百万円(前年同期比3.9%減)、セグメント利益は96億2千3百万円(前年同期比11.5%減)を計上いたしました。
Visual Imaging事業
[プロジェクター用ランプ]
主にハリウッドストライキに起因するコンテンツ不足の影響により映画館の稼働が低下し、シネマプロジェクター用クセノンランプの販売が減少しました。また、一般映像向けプロジェクター用ランプにおいて、固体光源化が進んだ影響により販売が減少し、減収となりました。
[映像装置(シネマ)]
ハリウッドストライキに起因するコンテンツ不足の影響等による一時的な投資意欲減退が発生し、デジタルシネマプロジェクターの販売が減少も、円安による為替効果により、増収となりました。
[映像装置(一般映像)]
前連結会計年度に計上した大型案件の減少により販売が減少も、その他のイベント等を中心とした高度な映像演出ニーズが堅調に推移したほか、円安による為替効果もあり、増収となりました。
なお、利益面では、事業ポートフォリオ変革の実施において、将来の収益構造改善に向けた製品ラインアップの見直しによる一時的な棚卸資産評価損を計上したことや、販管費(主に人件費)が増加したことから、減益となりました。
以上の結果、Visual Imaging事業の売上高は809億6百万円(前年同期比0.4%増)、セグメント利益は7億2千9百万円(前年同期比87.6%減)を計上いたしました。
Life Science事業
植物育成向けナトリウムランプの販売が増加し、増収となりました。また、有望案件への投資集中によるコスト抑制で収益性が改善したことにより、増益となりました。
以上の結果、Life Science事業の売上高は61億1千万円(前年同期比17.2%増)、セグメント損失は10億7千9百万円(前年同期はセグメント損失23億2千9百万円)を計上いたしました。
Photonics Solution事業
半導体向けデバイス等の販売が増加し、増収となりました。また、投資案件の見直しによるコスト抑制で収益性が改善したことにより、増益となりました。
以上の結果、Photonics Solution事業の売上高は103億1千1百万円(前年同期比0.6%増)、セグメント損失は4億1千5百万円(前年同期はセグメント損失15億1千3百万円)を計上いたしました。
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