2024年3月期

(単位:億円)
2023/03[4Q] 2024/03[4Q] 増減率
売上高 1,750 1,794 +2.5%
営業利益 158 129 -18.2%
当期純利益 136 107 -21.3%
売上高
営業利益
当期純利益
当連結会計年度における当社グループの事業環境は、ロシア・ウクライナ情勢の長期化の影響によるエネルギー・原材料価格の上昇、欧米でのインフレ進行に伴う政策金利の引き上げの継続、中国での不動産開発投資に始まる内外需要の低迷による景気の減速など世界的な不況感が継続しており、先行き不透明な状況が続いています。
このような環境のもと、半導体・電子デバイス・プリント基板市場においては、世界的にパソコンやスマートフォンなどの最終需要に回復の兆しが見え始めているものの、足元で関連する設備投資の抑制や稼働の低調が継続しています。また、関連する最先端ICパッケージ基板市場においても、最終製品の需要低迷が続いており、一時的な設備投資の抑制が発生するなど、引き続き注視が必要な状況です。一方で、5Gの実用化やIoT・AI活用が進展し、関連する需要の中長期での拡大が期待されます。フラットパネルディスプレイ市場においては、巣ごもり需要が一巡し、液晶パネルメーカー各社の稼働の低調が継続しています。映像関連市場においては、世界全域でコロナ禍からの正常化に向けた経済活動再開により映画館の稼働や設備投資の回復が進みました。また、一般映像機器市場においても、イベント等の回復に伴い、堅調な市況が継続しています。
当連結会計年度の平均為替レートは、米ドルが前連結会計年度に比べ、9円円安の144円となりました。

その結果、当連結会計年度における売上高は1,794億2千万円(前年同期比2.5%増)、営業利益は129億7千6百万円(前年同期比18.2%減)、経常利益は160億8千8百万円(前年同期比20.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は107億8千5百万円(前年同期比21.3%減)となりました。
セグメント情報
※2023年3月期よりセグメントの変更を行いました。2022年3月期以前の新セグメントデータはありません。
売上高
(単位:億円)
2022年度
実績
2023年度
実績
前年同期比
合計 1,750 1,794 +43
Industrial Process 894 821 -73
Visual Imaging 689 805 +116
Life Science 56 52 -4
Photonics Solution 92 102 +9
その他 17 13 -4
営業利益
(単位:億円)
2022年度
実績
2023年度
実績
前年同期比
合計 158 129 -28
Industrial Process 182 108 -73
Visual Imaging 34 58 +24
Life Science ▲ 51 ▲ 23 +28
Photonics Solution ▲ 2 ▲ 15 -12
その他 ▲ 3 1 +5
Industrial Process事業
[露光用ランプ]
巣ごもり需要の一巡により液晶パネルメーカー各社で生産調整が継続し、液晶パネル向けで販売が低調に推移しました。一方で、パソコンやスマートフォンなどの最終需要が徐々に回復基調となり、半導体や電子デバイス向けで稼働が堅調に推移し販売が増加したことや円安による為替効果もあり、増収となりました。

[OA用ランプ]
需要は堅調であるものの、前期のセットメーカーでの部材不足緩和による需要増加の反動により、ランプの販売が減少し、減収となりました。

[光学機器用ランプ]
液晶パネルメーカー各社の生産調整が継続しているため、主に液晶パネル向け光源の販売が減少し、減収となりました。

[光学装置(露光装置)]
5Gの実用化やIoT・AIの進展に伴うデータセンター向けサーバー需要等の高まりは継続しているものの、半導体市況悪化長期化の影響により、設備投資の抑制が発生したため、関連する最先端ICパッケージ基板向け投影露光装置及び直描式露光装置の販売が減少し、減収となりました。

[光学装置(その他)]
主に、巣ごもり需要の一巡により、液晶パネル向けの設備投資が減速したことにより、関連する装置の販売が減少し、減収となりました。

なお、利益面では、減収に加え、光学装置を中心とした将来に向けた戦略投資(R&D等)を拡大したこと及び光学装置や光学機器用ランプなどの付加価値の高い製品の販売が減少したことで利益率が低下し、減益となりました。

以上の結果、Industrial Process事業の売上高は821億3千1百万円(前年同期比8.2%減)、セグメント利益は108億7千6百万円(前年同期比40.4%減)を計上いたしました。
Visual Imaging事業
[プロジェクター用ランプ]
コロナ禍からの回復に伴う映画館の稼働改善によりシネマプロジェクター用クセノンランプの需要は堅調に推移したものの、一般映像向けプロジェクター用ランプにおいて、固体光源化が進んだ影響により販売が減少し、減収となりました。

[映像装置(シネマ)]
前期に発生した部材不足の解消が進み、映画館におけるプロジェクターの置き換え需要を取り込んだことでデジタルシネマプロジェクターの販売が増加しました。また、円安による為替効果もあり、増収となりました。

[映像装置(一般映像)]
イベント等を中心とした高度な映像演出ニーズの高まりが継続し、需要が堅調に推移したほか、第2四半期連結会計期間における大型案件の検収や円安による為替効果もあり、増収となりました。

なお、利益面では、増収に加え、映像関連機器において前期に発生した部材コスト高騰の影響緩和により、部材価格が正常化し仕入原価の改善が進んだこと及び一般映像向けハイエンド機種の販売割合が増加したことで利益率の改善が進み、増益となりました。

以上の結果、Visual Imaging事業の売上高は805億5千7百万円(前年同期比16.9%増)、セグメント利益は58億8千7百万円(前年同期比69.5%増)を計上いたしました。
Life Science事業
主に環境衛生向け光源の販売が減少し、減収となりました。一方、前期において計上した棚卸資産評価損が減少したこと及び環境衛生向け事業の戦略見直しによる投資抑制を行ったことにより、増益となりました。

以上の結果、Life Science事業の売上高は52億1千5百万円(前年同期比7.2%減)、セグメント損失は23億2千9百万円(前年同期はセグメント損失51億3千5百万円)を計上いたしました。
Photonics Solution事業
レーザーモジュール等の販売増加及び事業譲受による売上高増加の効果により、増収となりました。一方で、事業譲受による販管費の増加や開発費の増加により、減益となりました。

以上の結果、Photonics Solution事業の売上高は102億5千万円(前年同期比10.7%増)、セグメント損失は15億1千3百万円(前年同期はセグメント損失2億9千3百万円)を計上いたしました。
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